新・物理入門

Last-modified: Mon, 07 Feb 2022 14:05:38 JST (818d)
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種類、発行年、定価

著者

山本義隆

出版社

駿台文庫

レベル、おすすめ度

構成

  • 全7章、352頁

特徴

  • 高校物理を本質的に理解するための本。相当ハイレベル。はっきり言ってこれ以上難しい物理の参考書はない。
  • 著者が駿台予備学校での講義において、問題を解く前に行なう物理学の基本体系の説明が詳しく書かれている。
  • 高校よりも一歩踏み込んで、大学の視点から高校物理を俯瞰することができる。ただし教科書に載っていない箇所を突き詰めるのは、よほど時間に余裕がある人以外はやらない方がよい。例えばコリオリ力やビオ-サバールの法則は高校範囲外である。
  • 本書を読む前には少なくとも数学Ⅱの微分積分くらいは理解していることが望ましい。また指数、三角関数の微分積分は頻出なのでこれも習熟しておきたい。
  • 受験生は予備校の授業や他の参考書の副読本として読むのが良い。
  • 大学へ入ってからも手元においておきたい一冊。大学初等レベルの物理で指定テキストや参考書を調べても分からなかったことが、本書を読むとすんなり理解できることがある。
  • 駿台が出す“入門”書とあって、物理を勉強しはじめた高校生が書店で手に取るのをよく見る。そして爆死する
  • テストで物理の点数を取ることだけが目的の人は手を出すべきでない。意地でも本気で物理を理解したい人向けの本である。
  • 理系が買って満足する本第1位である。文系で言うところの「鉄壁」や「透視図」といったところか(いずれも使いこなせば超良書)。
  • 発刊当時、駿台文庫には(桑原岩雄、関谷浩)『古文入門』、(野澤悍)『数学Ⅰ入門』、(三國均)『化学入門』などがラインナップされていた。現在は物理以外はすべて絶版。
  • 当時はこれよりもさらに高難度の坂間勇・山本義隆『大学入試 必修物理』(上下巻)があり、『物理入門』はそれに比べて易しい方という位置づけであった。当時の駿台は相当意識レベルが高かったことが窺える。
  • 学習指導要領など眼中にないような本書だが、一応課程変更のたびに改訂されている。
  • ジュンク堂本店では自然科学書のコーナーにも陳列されている。